そもそもグルテンフリーとは

米粉の人気に火をつけたグルテンフリーという言葉をご存知でしょうか。パンなどの小麦に含まれるタンパク質が体に異常をきたす場合があるので除外して生活することを言います。グルテンを体に入れない生活をすることで不調が良くなったり、ダイエット効果があったりするので、小麦粉を米粉や玄米粉に代用することが推奨されています。日本ではグルテンにおいて障害が生まれることがあまり一般的ではないですが、諸外国では主食が小麦なのでグルテンに対して反応が出てしまう人には、米粉などの代用品はとても便利なものになるでしょう。

グルテンとは

グルテンとはパンを膨らませるタンパク質で、小麦に含まれるグリアジンとグルテニンが組み合わされたものを言います。水と結びつき、粘性のあるグリアジンと弾性のあるグルテニンが練られて網目構造になっていき、パンを膨らませる弾性と粘性を強めていくので、練れば練る程グルテンは強くなりパンは良く膨らみます。

米粉の場合はグルテンは含まれていません。なので、米粉のパンは米粉のみでは膨らむことができないので今まで米粉100%のパンというのは難しかったのです。しかし、増粘多糖類というマメ科の植物の実から抽出したグァーガムなどの食品添加物の利用によって、米粉もグルテンがなくても膨らむ生地を作ることができたのです。これによって米粉100%のパンを楽しむことができるようになりました。グルテン障害に苦しむ人には、米粉の発展は食生活を楽しむ糧になるでしょう。

グルテン関連障害

グルテンの関連障害として、小麦アレルギー、グルテン不耐性、セリアック病などがあります。小麦アレルギーは他の食物アレルギー同様に、小麦を摂取した事によって皮膚疾患や呼吸器障害を引き起こし、アレルギー検査によって判明するアレルギーです。このアレルギーには即時性と遅延性があり、遅延性の場合は小麦であると確定するに至らない場合が多いです。

グルテン不耐性というのは、アレルギーでもなければセリアック病でもない、非自己免疫非アレルギー系の障害で、グルテンと体の不調の関係があるものの、生理学的な変化や異常が見られない障害のことを言います。

現代はありとあらゆる食品に小麦が含まれているので、不調があっても小麦が原因であると気づくことは難しいです。症状としては小麦アレルギーはアレルギー反応が皮膚や呼吸器系に出ますが、セリアック病とグルテン不耐性では症状は消化器系、排泄系、精神面にも弊害が出るようです。

セリアック病の唯一の治療法

グルテンフリーというものは、そもそもこのグルテンによる障害の唯一の治療法として開発されました。アレルギーでも対処は同じですが、アレルギーの場合は人により反応に強弱があります。小麦アレルギーがあっても体調が良ければ食べることができる、という人もいます。

しかしセリアック病の場合は生理学的な身体異常が発生するので、グルテンの完全除去が必要です。糖質ダイエットが糖尿病患者のための食事療法であることと同じように、グルテンフリーはセリアック病患者の食事療法なのです。

セリアック病とは

セリアック病は、グルテン関連障害の中でも一生付き纏うことになる病気です。アレルギーは呼吸器系に障害が出やすいですが、セリアック病は小腸を自己免疫で攻撃してしまい、栄養を吸収できなくしてしまいます。

セリアック病を代表するような特別な症状はあまりないのですが、腹痛、便異常、下痢、便秘、膨満感、低栄養による体重減少、ビタミン欠乏、そのほか栄養不良による様々な重度障害の要因となります。

これらへの対処方法としてグルテンフリーの食事療法や、サプリで栄養を補うことだったりが一生必要になっていきます。パンやシリアルが一生食べられない生活であり、原材料を確認しては小麦が入ってれば食べてはいけない、という生活です。

グルテンフリーとダイエット

グルテンを含む小麦は炭水化物なので、糖質制限と混同しやすくダイエットにも有効なように認識している人も多いでしょう。確かにセリアック病のように重度の病でなくとも、なんとなく体調が悪いなどのプチ不調に小麦が関連していて、グルテンフリーで生活したら体調が好転する人もいるでしょう。過剰摂取も問題ではあるので、ある程度減らすことは健康にもダイエットにもいいかもしれません。

日本人の歴史から、胃腸が慣れているのは米の消化ですから、特に小麦によって不調を感じる場合は米粉への代用はとてもおすすめです。パンは好き、でも食べると調子が悪くなる、という葛藤を米粉が解消してくれます。

しかし健康食としてグルテンフリーがあるわけではなく、いろんな食品から栄養を摂ることが本来は望ましいものです。グルテンフリーの流行によって全粒粉の摂取が少なくなり心臓疾患が増えたということもあるようなので、一概に全ての人に有効であるとは言えません。

グルテンによる障害を感じる人やグルテンフリーを余儀なくされる人に、消化しやすく栄養価も高い米粉は良い食品となります。しかし、グルテンに過剰に反応するのではなく、広く栄養をさまざま摂ることの方が体の栄養バランスが整うので、健康にもダイエットにもいいのではないかと思います。その意味でも、米粉の栄養価は評価すべきところでもあり、暮らしの中にうまく溶け込むことで様々な人たちの健康とダイエットに役立つことができるでしょう。